村上世彰氏「生涯投資家」コーポレート・ガバナンスを学ぶならこれ!

目安時間:約 11分

村上世彰さんといえば、2006年にインサイダー取引で

逮捕されたときの「金儲けして何が悪いんだ!!」

という発言が印象的です。

当時は国民から相当な批判を受けていました。

でも、株式投資をやっている今となっては

金儲けは悪くない、とも思いますし、

日本人が投資について無知だからこそ

あそこまで批判されてしまったのでは?

と著書「生涯投資家」を読んで感じます。


この本で理解できること、得られることは

 

  • 日本経済を良くするためにはコーポレート・ガバナンスを浸透させて資金を循環させることが重要
  • ROEを意識した投資スタイルの必要性
  • 金儲けは悪くない!個人投資家として心得ておくべきこと

 

です。

 

村上さんが逮捕されたニッポン放送インサイダー取引事件の

詳細や他の企業改革の成功、失敗事例は

日本の著名人が多数登場されていて、

さすが元通産省という優秀な経歴ならではの内容であり

読み応えがあります。

 

普通の個人投資家では出会えないような方の思考を学んでみませんか?

 

「生涯投資家」から学ぶ「コーポレート・ガバナンス」とは?

 

「生涯投資家」の本にいたるところに出てくる

「コーポレート・ガバナンス」とは、そもそも何でしょうか?

 

投資先の企業で健全な経営が行われているか、企業価値を上げる=株主価値の最大化を目指す経営がなされているか、株主が企業を監視・監督するための制度だ。

 

根底には会社の重要な意思決定は株主総会を通じて株主が行い、株主から委託を受けた経営者が株主の利益を最大化するために経営をする、という考え方がある。

「生涯投資家」p.31より

 

企業に投資(出資)している株主の当然の権利

 

と言えるのがわかりますね。

 

アメリカではコーポレート・ガバナンスを重視した経営が

浸透しているのに対して

日本では最近ようやく知られてきたという程度です。

 

では、株主と経営者の違いとは何でしょうか?

 

株主は企業を監視・監督する人、経営者は株主から預かった資金を増やして還元する人

株主とは、企業の成長を期待して出資している人で、
企業を監視、監督する権利がある人です。

 

それに対して株主から預かった資金で

利益を出すのが経営者です。

さらに経営者は企業価値を高めるために再投資をし

出資してくれた株主に還元(配当)もするのが経営者の役割

ということです。

 

それなのに、日本の経営者は再投資もせず、

株主にも還元しない企業(経営者)もいるのが現状です。

 

村上さんは

 

現預金をたくさん保有して

 

財務状況も良く銀行からの借り入れ余力もあるのに

 

株主に還元しない会社は上場する意味がない

 

という考えのもと

 

そういう企業に投資してMBO(非上場化)する

 

という提案を行ってきた

 

のです。

 

 

日本でコーポレート・ガバナンスが浸透しないのはオーナー経営者が少ないから

日本はオーナー経営者が少ないのです。

 

従業員から経営者になるケースが多いため

 

自社株を持っていても少額で、

 

リスクを取っていない経営者が多く

 

安定した給与のみで保守的になっている

 

というのです。

 

だから日本はコーポレート・ガバナンスが浸透していかないのです。

 

資金が十分にあって設備投資も不要で銀行からの借り入れ

余力も十分にある企業は上場する必要がないのです。

 

株主から経営に口出しをされたくないのであれば

非上場化すればいいのに、なんとなく上場している企業が多いのです。

 

アメリカは積極的にオーナーが株式を持ちリスクを取って

覚悟を持って会社経営をしているから、

アメリカ経済は大きくなったと言えます。

 

ROEとは?良い投資先を選ぶときの参考に!

コーポレート・ガバナンスと一緒に出てくるROEとは、

 

コーポレート・ガバナンスのひとつの指標であり、投資した金額に対して利益がどの程度生まれるかを示す。すなわち、当期純利益/純資産という四季で算出できる。

 

投資家にとっては、自ら投資したお金がどれだけ効率的に利益を生んでいるかを知る指標だ。

p.71より

具体的に書くと

 

A社 純利益50億÷純資産1,000億=ROE5%

B社 純利益100億÷純資産1,000億=ROE10%

 

 

B社の方が

 

少ない資金で利益を出している

 

ということがわかります。

 

ROEが向上するということは投資家は効率的に利益が受け取れる

ということです。

 

少ない資本で利益が出せる方が効率的な経営であるのに

 

日本は経営者は安定経営のために

手元に資金を残しておきたい気持ちが強く

その結果純資産が増大する傾向にあるのです。

 

村上さんが本の中でも書いてある、

お金を循環させることで、日本がもっと良くなるけど、

できていない企業が多い

ということがわかります。

 

これは前述した通り、日本はオーナー経営者が少ない

ことも原因の一つです。

 

経営効率を意識した優秀な経営者(会社)に投資をした方が

いいことがわかります。

 

 

金儲けが悪いのは儲けたお金を還元しないこと 投資家として社会還元もしたい

個人投資家として、リスクを取って投資しているのだから

株主還元を積極的にしてくれて、

より利益を求め事業に再投資をするような企業を応援し

選んで投資する。

 

そして、その利益で新たに投資してお金を循環させることが

投資家としての役割だと思います。

 

投資は社会還元にもなっている

 

と思えますね。

 

それゆえ

 

「金儲けは悪くない」

 

のです。

 

NPO法人への投資 村上氏が投資で得たリターンはお金だけではない

日本はNPO法人(非営利団体)の資金調達が

アメリカに比べてできていない現状も取り上げています。

 

上場企業が投資家とコミュニケーションを取れていないのと

同じように、

 

NPO法人が寄付してくれた人に使途を報告し、

成果をリターンとする情報開示が後回しになっていて、

活動がうまくできていない

 

という問題を指摘しています。

 

「あなたの支援のおかげで、こんな成果が上がりました。こんなに喜んでもらえました」と伝える機会を設けること。

 

自らの寄付で何かを変えることができた、だれかの役に立てたと実感できることが寄付者へのかけがえのないリターンになる。「寄付してよかった」と思ってもらえることが次の寄付につながるのだ。

 

p.234より

村上さんは震災時に緊急支援できる団体にも

資金協力をしたり、実際東日本大震災では、

友人の企業に物資を運ぶトラックや物資調達をお願いし、

ご自身でも現地で炊き出しをされています。

 

すでに震災から数日が経過していたが、温かい食べ物を口にするのは初めてだったそうだ。最後には体育館の中から拍手まで湧き上がった。

言葉にするとありきたりな表現になってしまうが、心から感動した。

p.255より

 

お金は使ったリターンがお金であることもあれば、

感謝の言葉でもあると思えます。

お金が無ければ支援もできないのです。

日本人にもっとお金に対して前向きな気持ちになって欲しい

ものですね。

 

村上さんの活動もあってかようやく

日本もコーポレート・ガバナンスが浸透しつつあるようです。

 

この本の収益は投資を普及する活動資金に充てられるそうです。

 

投資する意味、考えさせられます。

 

微力ではあっても社会還元ができる投資家になりたいです。

 


 

 

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社会還元とはお金の教養の一つです。

村上さんが逮捕当時あそこまで批判されたのは、

当時のわたしもですが、日本人にお金の教養が無かった

ことも原因の一つだと思います。

 

お金の教養を身に着けながら株式投資を楽しみませんか?

 

 

 

 

 

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